2016年7月5日火曜日

<贈与が成立するための条件は?>


相続税の対策として、生前に財産を贈与し、被相続人の財産を減らしていくということはよくあります。

贈与税の基礎控除は110万円ですので、この金額の範囲内の贈与であれば贈与税はかかりません。

ですから、毎年110万円の範囲内で贈与をしたり、逆に、110万円を少し上回る贈与をして、意図的に贈与税の申告書を提出し、少しの贈与税を納付するという事例も見受けられます。では、民法上、贈与はどのように定義されているでしょうか?

民法第549条では、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と規定されています。 

簡単にいうと、渡す人と、もらう人の間で、「あげます」、「もらいます」という合意がされて場合に初めて成立するということです。ですから、先ほどの例で、贈与が110万円以下であっても、110万円超で贈与税の申告納付したとしても、双方で合意がないまま行われたものについては、贈与が成立しないことになります。

また、重度の認知症になった後では、相手方に与えるという意思が表示出来ないので、贈与が成立しないと考えられます。

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