2017年1月6日金曜日

<不服申立制度とは>


前回触れた不服申立制度についてもう少し説明を加えておきます。
税務署等がした処分に不服がある場合には、その処分の取消しや変更を求めて国税不服審判所長に対して不服を申し立てることが出来ます。
国税不服審判所は、税務署や国税局が行う処分についての審査請求に対する裁決を行う機関です。
国税不服審判所は、霞が関にある本部以外に、札幌、名古屋、大阪、福岡等にある12支部と、新潟、横浜、京都等にある7支所があります。
調査・審理は、原則として上記のそれぞれの支部・支所で行っております。
不服申立制度は、平成26年に改正され、平成2841日以降にされた処分については、新しい制度が適用されております。
大きな改正点としては以下の3点があります。
・税務署長が行った処分に不服がある場合には、納税者の選択により、税務署長に対する「異議申立て」を行わずに、直接、国税不服審判所長に対する「審査請求」を行うことができるようになりました。
・「異議申立て」については、その名称が「再調査の請求」に変わりました。
・不服申立て出来る期間が原則として、2ヶ月以内から3ヶ月以内に延長されました。
では、実際にどれくらいの件数の審査請求があったかを見てみます。
平成25年度 2,855
平成26年度 2,030
平成27年度 2,098
そのうち請求が認容された割合は、以下の通りです。
平成25年度 7.7
平成26年度 8.0
平成27年度 8.0
上記のように、訴訟の原告勝訴割合同様、非常に低い認容割合となっております。
しかし、訴訟と大きく違う点としては、処理の迅速化を目標としており、実際に1年以内に処理された割合は、以下の通りです。
平成25年度 96.2
平成26年度 92.2
平成27年度 92.4
他の年度においても90%以上が1年の以内に処理が行われております。
また、審査請求にあたって、国税不服審判所に対して支払う費用はありません。
ですから、名称からして難しそうで、馴染みがあまりない制度ではありますが、訴訟に比べると比較的に敷居が高くない制度と言えます。

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