2016年8月10日水曜日

<事業承継の押さえておくポイント>

事業承継は会社を経営されている方にとって重要なテーマでもあります。

平成2711日以後の相続について相続税の基礎控除額が以下のように改正されました。

これまで
5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人の数

平成27年以降
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

仮に、相続人の数が3人だとすると、これまでの基礎控除額は8,000万円だったのが、4,800万円にまで縮小されたことになります。

これに応じて、相続税を納付する人が大幅に増えたことになります。
会社の経営者の中でも、これまでは自社株を評価し、これに他の財産を加えたとしても、基礎控除額以下で、相続税を払う必要がなかったのに、改正後には相続税を払う義務が生じてしまうという方もいるはずです。
ですから、現状を把握するためにも自社株を評価するにはどうしたらいいのかという点は、経営者には是非知っておいて頂きたいと思います。
株式の評価方法には、原則的評価方式と例外的評価方法があります。
原則的評価方法は、3つあります。

一つは、純資産価額方式
二つは、類似業種比準価額方式
三つめは、純資産価額方式と類似業種比準価額方式の折衷方式
です。

細かな計算方法は、今回は割愛しますが、簡単に説明すると、
純資産価額方式は、貸借対照表の資産から負債を控除した純資産価額を基礎にして、株価を評価する方法です。
類似業種比準価額方式は、配当、利益、純資産の3要素を基に株価を評価する方法です。この3要素のうち利益の比重は高く配分されております。
折衷方式は、純資産価額と類似業種比準価額を折衷する方法です。特定会社を除く法人は、株価を計算する際に会社の規模によって、純資産価額と類似業種比準価額の比率が変わってきます。
例外的評価方式は、配当還元方式です。
配当還元方式は、直前2期の年間配当額を基礎にして計算します。
実際に、直近の決算書等の数字を参照しながら、自社の株式をこれらの方法で計算してみると、現時点での株価が分かります。
その結果、価額がそれほど高くないのであれば心配する必要はないかも知れませんし、価額が相当に高いようであれば何らかしらの対策をたてる必要があります。

株価対策には、退職金を活用する方法、資産管理会社を活用する方法等様々あります。また、平成25年度の税制改正で事業承継税制が拡充されているのでこの制度も上手く活用したいところです。


ですから、ご自身の会社の資産、損益だけでなく、会社の規模等多くの要素を複合的に考えながら株価対策をとる必要があります。また、株価対策は短期間でなく、一定の期間をかけながら進めていくことが重要です。

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