2016年9月29日木曜日

<養子縁組をするための手続き>


養子がいれば、一定の制限はあるものの、相続税の負担を減少させることが出来るというお話は既にしました。
では、養子縁組をする場合にはどのような手続きをとればいいのでしょうか?
養子には、普通養子と特別養子の2種類があります。
そのうち普通養子として養子縁組をする場合には、届出対象者の本籍地又は届出人の所在地の市役所に養子縁組届を提出します。
養子縁組届は、血縁関係のない者同士などが法律上親子関係になるための届出書です。
養子縁組届は、直接市役所で提出することも出来ますし、郵送によって提出することも出来ます。
また、提出は当事者だけでなく他の人が代理提出も出来ますが、届出書に当事者の双方が署名・押印する必要があります。

 必要書類は、上記の届出書だけですが、養子及び養親の本籍地以外の市町村に届出書を提出する場合には戸籍謄本が必要になります。
ただし、本籍地の市町村に届出書を提出する場合には戸籍謄本は必要ありません。
また、届出書を提出する際には、提出をする人の本人確認が必要ですので、運転免許証、マイナンバーカード等の本人確認書類が必要です。
なお、費用はかかりません。

2016年9月20日火曜日

<相続税における法定相続人の数>

相続税を計算するうえで、法定相続人の数は非常に重要です。
なぜなら、基礎控除額、生命保険金の非課税限度額、死亡退職金の非課税限度額等に影響を及ぼすからです。
それぞれの計算式を以下に列挙してみます。
・基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
・生命保険金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数
・死亡退職金の非課税限度額 = 500万円 × 法定相続人の数

また、相続税の総額を計算する場合においても、法定相続人の数が多いほど有利な税率を適用することが出来ます。 
法定相続人の数には、養子も含まれます。
ただし、養子を何人でも法定相続人の数に入れることが出来るようにすると、不当に相続税を減らすことになるので、法定相続人の数に含める養子の数には、以下のような制限があります。
・被相続人に実子がいる場合 → 1人まで
・被相続人に実子がいない場合 → 2人まで

なお、被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子になっている場合、被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子になっている場合等は、実子として扱われるので、法定相続人の数に入れることが出来ます。

2016年9月14日水曜日

<必要な融資をベストなタイミングで~9月9日セミナーより~>


経営をされている方は誰しも資金の調達を何らかの形で行っていると思います。

中小零細企業・個人事業の方の多くの資金調達は、自己資金を用意するか、金融機関等から借入するかのどちらかだと思います。

まずはどのようなときにお金が必要になるのか、大きく分けて3つあると思います。

一つ目は運転資金、2つ目は設備投資、3つ目は事業の拡大などがあります。

借入の際に新規であれば、3期分の決算書、既に借入している場合は、決算毎に決算書を金融機関(国の金融機関は除く、以下金融機関)に提出しているかと思います。

金融機関がどの程度決算書を重要視しているか、すなわち決算書の内容によって、新規の借入または、追加の融資を実行してくれるかというと、ほぼ89割は決算書で決まるといっても過言ではありません。

金融機関は金融庁の指導のもと、金融検査マニュアル(1999年作成)に沿って審査を行っております。そのため、どこの金融機関でも審査基準は同じです。

銀行員が、経営方針や競争力、商品の魅力などを考慮して、有望かそうでないかを判断する能力は備えておりません。金融検査マニュアルでの評価方法で可否を決めるしかないのです。
それを踏まえれば、決算書をその評価に合わせて作っていくことが、借入をスムーズに進める唯一の方法になります。

よって、一定の利益を出していくことが基本にはなりますが、決算書の作成にあたっても抑えておかなければいけない点はたくさんあります。
金融機関は、最終の利益(税引き前利益)をそれほど重要視していませんので、経費の割り振りは重要になってきます。

3期分の決算書または、毎回の決算書の提出が必要になりますので、決算の際には税務署だけを意識した税務対策を行うのではなく、金融機関も意識した借入対策も行っておくことが必要になります。

2016年9月12日月曜日

<建物の取得価額と取得費の違い>

建物を売った場合の譲渡所得の金額の計算方法は以下のようになります。
譲渡所得の金額 = 譲渡対価 - (取得費 + 譲渡費用)
ここで少し難しいのは、建物の取得費は、買った時の価額ではないということです。
取得費を理解する上で、まず取得価額との違いを知って頂くことが重要です。
取得価額と取得費の違いは、言葉で説明すると難しく感じるかも知れないので、以下の計算式で把握して下さい。
建物の取得価額 = その資産の購入代価 + その資産を事業の用に供するために直接要した費用
建物の取得費 = 建物の取得価額 – 減価償却費相当額※
※減価償却費相当額は、その建物が事業の用に供されていた場合と事業の用に供されていなかった場合によって計算方法が違います。
・事業の用に供されていた場合
建物の取得の日から譲渡の日までの減価償却費の累計額
・事業の用に供されていなかった場合
建物の取得価額 × 90% × 旧定額法の耐用年数の1.5倍の償却率 × 経過年数取得価額と取得費の違いは、上記のように計算式にあてはめて考えていくと分かりやすくなると思います。

2016年9月5日月曜日

中央財務 無料セミナー ~必要な融資をベストなタイミングで〜

 この度幣社主催の無料セミナーを下記のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。
 今回は、多くの経営者の方からよくお問い合わせをいただく銀行融資のポイントについてお話させて
いただきます。

 ご多忙中とは存じますが、お繰り合わせの上、ぜひともご参加下さいますようお願い申し上げ
ます。



セミナー内容

・融資を受けるために必要な準備
・融資を引き出せる決算書・引き出せない決算書     などを予定しております。

開催日時 : 201699日(金) 16:001730
場所 : 〒541-0051 大阪市中央区備後町2-5-8 綿業会館本館6
(本町駅1番出口、堺筋本町駅17番出口からそれぞれ徒歩5分)

講師 :上田 秀太郎
定員 : 10人程度
費用 : 無料

参加をご希望の方は メールを送信(info@chuouzaimu.com
          ②電話(06-6231-1121)        
にてお申込下さいませ。

お申込みに関しましては 9/7(水)を締め切りとさせていただきます

<建物の標準的な建築価格表を使って、取得価額を計算>


建物をかなり昔に購入してその取得価額が分からないということがあると思います。
そういう場合には、概算取得費の計算方法があります。
これは譲渡所得の収入金額に5%を乗じて計算します。
同様に、「建物の標準的な建築価額による建物の取得価額の計算表」を用いて計算する方法もあります。
具体的には、建物の建築年月日を登記事項証明書等で調べます。
次に、国土交通省の「建物の標準的な建築価額表」で、その建物の1㎡当たりの建築単価を調べます。そして、その建築単価に、その建物の床面積を掛けたものが、その建物の取得価額になります。分かりやすく算式で表すと、
建物の取得価額 = 建物の標準的な建築価額表による建築単価 × 床面積
ということになります。
例えば、昭和49年に建てた鉄筋コンクリート建物(延べ床面積100㎡)であれば、
「建物の標準的な建築価額表」より、1㎡当たりの建築単価が90,100円になりますので、
90,100円×100=9,010,000
これが、その建物の取得価額となります。
なお、建物の取得価額と取得費の違いについては、後述させて頂きます。

2016年9月1日木曜日

<地方税にも延滞税や加算税はあるの?>


法人税や所得税等の国税にかかる延滞税と加算税について以前書かせて頂きました。では、地方税についても国税と同様に延滞税や加算税は課税されるのでしょうか?地方税の場合は、税という言葉を使わず、延滞金や加算金という呼び方をします。まず、延滞金の率は、国税の延滞税の率と同じです。
平成2711日から平成281231日までの期間は、納期限の翌日から2月を経過する日までの期間が年2.8%、納期限の翌日から2月を経過した日以後の期間が年9.1%になります。次に、加算金には、過少申告加算金、不申告加算金、重加算金があります。
これらの加算金がかかるのは、以下の税金に限ります。
 
個人住民税利子割
配当割
株式等譲渡所得割及び分離課税に係る所得割
法人事業税
たばこ税
ゴルフ場利用税
自動車取得税
軽油引取税
法定外普通税
鉱産税
特別土地保有税
入湯税
事業所税
水利地益税等
法定外目的税

あれ?と思う方もいるかも知れません。実は、個人住民税、個人事業税及び法人住民税ついては加算金がかからないのです。ですから、例えば法人が税務調査等によって追加で納付する税額が発生する場合には、法人税や法人事業税については加算税がかかりますが、法人住民税(法人県民税・法人市民税)については加算金がかからないのです。
不思議な気もしますが、納税者からすれば少し得ですね。